70歳になったら遺言の準備を
○「争続」いう言葉を知っていますか?
我が国における民事訴訟は減少しているのに、
相続争いを巡る訴訟に関しては大幅に増加しているそうです。
多くの人が相続でモメているのです。
では、なぜモメるのか。
これは、訴訟の多くが相続財産が3千万円以下であることからも分かるように、相続人の生活費(住宅ローン、教育費etc)の負担軽減資金として相続財産を必要としているという現状があります。
また、相続は、相続人の配偶者の意向が影響することも多いのです。
たとえば、家業を長男に継がせたい旨を実情を良く知る次男が承諾したとしても、
家計をやり繰りする次男の嫁の意向により、争いが起こることもあるでしょう。
一度「争続」が起こると、関係修復は大変困難であると言えましょう。
○モメない相続のためにすべきことは?
相続でモメないためには、被相続人の意思を生前または死後、相続人に伝えることです。
すなわち、財産の行方を被相続人が生前に決めることにより、相続人間の争いの種を残さない様にすることです。
○生前に意思を示す方法は?
次の二つの選択肢が考えられます。
①口頭で伝える
②文書にする
①は、容易に実行することが出来る反面、証拠としての確実性がない。
②は、手間がかかるが、後の証拠になる。
モメない相続のためには、
②の方法のうち、さらに証拠としての確実性が高い方法を選択し、①の方法で補完する。
という方法がベストと言えます。
○証拠としての確実性が高い方法は?
①公正証書遺言の作成
②家族信託の利用
などがあります。
どちらも公証人等にお願いする方法です。
公証人の手数料は5万~10万円ほどの様です。
財産の状況が変わる等のため後日の内容の変更も可能です。
実際に公正証書遺言の作成件数は、平成元年から3倍近に増えている様です。
これは、遺言等の必要性が広く認識されて来た証拠でしょう。
子供たちが、いつまでも仲良く居られる様
手遅れにならないうちに、早めに準備をしておきましょう。
税理士工藤のブログ
税務会計のみならず様々な事象を取り上げていこうと思っております。
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